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音楽資料室中世ルネサンスバロック古典・ロマン派近現代解説項目

ルネサンス

時代背景
ルネサンス音楽概観
作曲者とその作品
Dufay
  生涯
  音楽史上の位置
  Nuper rosarum flores
Ockeghem
  生涯
  音楽史上の位置
  Missa Pro Defunctis (Requiem)
Josquin des Prez
  生涯
  音楽史上の位置
  La deploration sur la mort de Johannes Ockeghem
  Missa Pange Lingua
Palestrina
  生涯
  音楽史上の位置
  Dum Complerentur
Lassus
  生涯
  音楽史上の位置
  Pater Abraham
Byrd
  生涯
  音楽史上の位置
  Ne irascaris Domine
Victoria
  生涯
  音楽史上の位置
  O magnum mysterium

Josquin des Prez(c.1440-1521)
ジョスカン・デ・プレ

最終更新日: 2002年3月24日
[Josquin des Prez]->[音楽史上の位置]

音楽史上の位置

デュファイオケゲム と続いたルネサンス音楽の 流れは、ジョスカン・デ・プレの登場によってついにその頂点に到達する ことになる。その音楽語法の中心はジョスカンによって確立された 通模倣様式 で あった。これは、歌詞をいくつかの節に分割してそれぞれの節に動機 (モチーフ)を与え、全声部がその動機を模倣することで曲を構成していく という手法であり、ジョスカン以降のルネサンス音楽の共通の語法となっていった。

さらにこの通模倣様式の確立に伴って、明確な旋律や機能的な 和声進行などの新しい要素も加わることになり、ルネサンス音楽の語法は ここに完成を向かえることになったのである。

またこのころから歌詞の内容と音楽が密接な関係を持ち始めるのも 見逃せない要素である。そしてここにこそジョスカンの作品の最大の特徴がある。 例えばグレゴリオ聖歌を 定旋律 と する曲では、歌詞の内容とは本来全く関係のない聖歌のモチーフを全曲を 通じて模倣するように構成されているにもかかわらず、その音楽は歌詞の内容を 見事に表出したものとなっている。これにはただ驚かされるばかりである。

ジョスカンの作品の持つこの構成性と情緒の高度なバランスこそは、 音楽におけるルネサンスの典型と評するにふさわしい。宗教改革者ルターが 「他の音楽家たちは音に支配されているのに対し、ジョスカンのみは音を意のままに 支配する」と評しているのも、ジョスカンのこの側面をとらえてのことであろう。

(宮内)


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