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音楽資料室中世ルネサンスバロック古典・ロマン派近現代解説項目

バロック

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バロック音楽概観
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  生涯
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Couperin

  生涯
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バロック音楽概観1 〜バロック音楽の誕生と伝播

最終更新日: 2002年3月21日
[バロック]->[バロック音楽概観1]

16世紀の末には、特にイタリアを中心に言葉や感情をストレートに 表現する欲求が高まり、それまでのルネサンス的な声楽ポリフォニー とは異なる、劇的な表現に向いた新しい音楽様式が求められるようになった。 そういった状況を反映して、フィレンツェの音楽家たちによって モノディ様式という新しい音楽形式が生まれる。これは通奏低音の 支えのもとに、歌手が歌詞を半ば語るように歌うというスタイルであり、 それまでのポリフォニー音楽と比較して遥かに歌詞の内容をストレートに 伝えることが出来るものであった。

このモノディ様式に基づきカッチーニ、ペーリらのフィレンツェの音楽家たちは、 オペラというジャンルを開拓した。その音楽様式を継承、発展させたのが 初期バロック最大の作曲家モンテヴェルディであり、1607年のオペラ「オルフェーオ」 1610年の「聖母マリアの夕べの祈り」という初期バロック音楽の傑作が誕生する。 こうして音楽におけるバロック時代が始まった。

その後、イタリアで誕生したバロック音楽のスタイルは、ヨーロッパ各国に 対して影響を与え、その国ごとの発展を見せていく。バロック音楽が そもそも感情を表現するものであったためか、その音楽の発展は各国の 気質を反映して、ルネサンス音楽よりも遥かに各国の個性が現われる発展を 見せることとなった。

バロック音楽の発展におけるヨーロッパ各国の役割を要約すると、

先行するイタリア  劇的な感情表出、対比的な表現、歌う旋律 
対抗するフランス 抑制の効いた感情表出、バランスの取れた表現、語る旋律
後進のドイツ イタリアとフランスの様式の変質と融合
消費するイギリス イタリア・オペラの興行と発展

といえるだろう。各国での音楽の発展の様子は次節で触れる。

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(宮内)


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