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音楽資料室中世ルネサンスバロック古典・ロマン派近現代解説項目

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Lamento della Ninfa
ニンフの嘆き

最終更新日: 2002年3月24日
[Monteverdi]->[Lamento della Ninfa]

データ


オッターヴィオ・リヌッチーニ
(イタリア語)
出版年 1638年
演奏時間 約6分半
声部 4声(S,T,T,B)

解説

1638年に出版されたマドリガーレ集第8巻「戦いと愛のマドリガーレ」中の 「愛の歌集」に収められている一曲。マドリガーレと言ってもこの時期に なると器楽による通奏低音が用いられており、その上で歌われる ソプラノの旋律も当時の新しいスタイルであるモノディー様式に基づいて 歌詞の表出を主眼におくものになっている。

曲は3部からなっており、恋人に裏切られたニンフがその嘆きを歌い 男声3声がそれに呼応する第2部を中心として、1部と3部は男声3声のみ によるプロローグとエピローグからなっている。注目すべきは曲の中核を なす第2部で、そこではモンテヴェルディ自身が「規則的な拍子ではなく、 魂の情感のテンポに従って」という指示をあたえており、歌手たちに対して ラメント・バス(「ラソファミ」の下降音型)の通奏低音上での自由な表現を 任せている。

当時の最新の技法を一早く取り入れ未来の音楽を予見すらさせる本作品は、 新しい技法に基づく劇的な表現に見事に成功しており、 モンテヴェルディ後期の傑作の一つに数えられている。  

(宮内)

資料

歌詞対訳
M.A.B. 演奏
(冒頭 1分間、au 形式、480k)

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