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合唱音楽と音律「合唱は平均律ではなく純正調で歌わないとハモらない」 とよく言われる。確かに純正の和音は大変美しく、 また声は音程を自由に変えることができるので、 すべての和音を純正で歌うことも理論的には可能である。 しかしそのためには、伸ばしている音の音程を 途中で上げ下げしたり、全体のピッチがだんだん変わっていったり することは避けられない。ルネサンス期の音楽は純正調で歌うものであるかのような言い方もよく耳にするが、当時本当にそんなことを していたのであろうか? バロック以降の音楽のように旋律と根音の動きが はっきりしていれば、どちらかの動きを基準にして 音程をコントロールすることもできないことはない。 しかしルネサンス期の音楽は各声部が対等に旋律を歌う音楽であり、 歌手たちは自分のパートのパート譜を持って歌っていたのであるから、 そんなコントロールをしていたとは考えにくい。 また宗教曲に関しては、教会にあるオルガンの音律との 兼ね合いもある。例え無伴奏の曲を歌うときでも 聖歌隊が同じ音に対してオルガンと違う音程を出す というのはどうも不自然であるように筆者には感じられる。 そこでこの資料室では、中世からルネサンスの宗教曲に関しては 当時のオルガンの音律をもとに、それぞれの曲に最も適していると 思われる推奨音律を付すことにした。 →[音律の基礎]Copyright © 2002 M.A.B. Soloists, All Rights
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