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音楽資料室中世ルネサンスバロック古典・ロマン派近現代解説項目

中世

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 Perotinus
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 Guillaume de Machaut
   生涯
   音楽史上の位置
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Perotinus (c.1160-c.1240)
ペロティヌス

最終更新日: 2002年3月31日
[Perotinus]->[音楽史上の位置]

音楽史上の位置

12世紀は、グレゴリオ聖歌を長く引き伸ばした上に新たな旋律を 付すことで作られるオルガヌムと呼ばれる宗教曲が発展した時代でもあった。 特にペロティヌスの先輩にあたるレオニヌスの時代には、 「オルガヌム大全」とよばれる曲集が編纂されており、 ノートルダム寺院ではそこに収められた100曲近いポリフォニー曲を 年を通じて演奏していたと言われている。ペロティヌスは このオルガヌム大全を改訂して新たな声部を付け加えたり、 また新たにオルガヌムを作曲して加えたりしているが、 彼の音楽はレオニヌスのそれと比較して、より構成的で華麗な面を その特徴としている。なおこの二人の活動は総称して ノートルダム楽派と呼ばれている。

ペロティヌスは音楽史上特筆すべき業績をいくつか残している。 まずその一つ目として声部の拡大があげられる。それまでのポリフォニー曲が 二声部のものが中心であったのに対し、ペロティヌスは三声部や四声部の 作品を多く作曲している。彼の作品の中でも特に名高い「すべての国々は見たり」と 「かしらたちは集まりて」は、それぞれ1198年と1199年の作品と推定されて いるが、これらは現存するヨーロッパ最古の四声曲である。

次に彼が導入したモード記譜法によって、歴史上始めて楽譜に リズムを正確に記述できるようになったという進展がある。 これは音符の繋がり方を用いてリズムを特定して記述する方法であるが、 グレゴリオ聖歌誕生以来、オルガヌム発展の過程でもリズムを特定する 記譜法が存在しなかったことを考えると、その業績は非常に高く評価 すべきものであるといえる。

さらにはコンドゥクトゥスと呼ばれる定旋律を必要としない形式も開拓し、 作曲者が自由創作できる曲種を与えることに貢献した功績などもあるが、 総じて今日合唱と呼べるジャンルはペロティヌスに端を発すると言っても 過言ではないほどその業績は大きい。

(宮内)


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