レザール・フロリサン
Les Arts Florissants

1979年に ウィリアム・クリスティ に よって結成された、歌手と器楽奏者からなるフランスのグループ。 レパートリーはフランスの作品を中心とした17,18世紀の声楽曲であるが、 1995年にはモーツァルトのレクイエムの録音を行うなど新たな試みも見られる。 その名称はシャルパンティエの牧歌劇に由来し 「花咲ける芸術」を意味している。

それまでほとんど聴かれることのなかったフランス・バロックのオペラや 宗教曲の復興に勤め、その魅力を現代に蘇らせたこの団体の功績は大きい。 特にフランス国内でも宗教音楽家としてしか知られていなかった シャルパンティエの舞台音楽を再発見させたことは高く評価されていいだろう。

「古楽の復興」というと古めかしい舞台が想像されるが、 この団体の舞台は常に若々しく華やかであり、 前衛的な演出も積極的に取り入れることで バロックオペラの上演をリードし続けている。 特に喜劇を演じるときのこの団体の面白さは、 「古楽」などという枠を越えたものとなっている。

またクリスティはメンバーが独自のアンサンブルを結成して 独立することを積極的に認めており、 ジェラール・レーヌの「イル・セミナリオ・ムジカーレ」、 ミシェル・ラプレニの「アンサンブル・ヴォカール・サジタリウス」、 マルク・ミンコフスキの「ルーブル宮音楽隊」、 クリストフ・ルセの「レタラン・リリク」、 エルヴェ・ニケの「コンセール・スピリチュエル」 といった新世代のグループを多数輩出している。 この現象は「クリスティ星雲」と呼ばれており、 今も次々と優れた演奏家を生みだしている。

(宮内)


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