「オケゲムの死を悼む挽歌」


推奨音律: 中全音律

この曲はグレゴリオ聖歌を定旋律に用いているが、 本質的にシャンソンであり世俗曲である。 そのため当時の宗教曲よりも三和音が頻繁に用いられている。

作曲された当時(1497年)にはまだ中全音律は発明されておらず、 この音律が使われた可能性は全くないのであるが、あえてこれを 推薦するのは、現代のコンサートホールで演奏することを 意識してのことである。

世俗曲なのだったら残響の多い教会で演奏するわけではないので、 当時は音律による唸りはさほど問題にならなかったと思われる。 ピタゴラス音律 で歌っていたのかもしれないが、 それでもさして問題はなかったであろう。

しかしこれを現代のホールで演奏するのであれば、 この長三和音は純正で響かせたい。 であれば中全音律の採用が適当であると考える。

(宮内)

推奨される歴史的発音 14世紀から15世紀末のフランス ラテン語

これは定旋律以外がフランス語で書かれていることからも、 この当時のフランス ラテンの発音を用いることは自明である。 また、3代にわたってフランス宮廷に仕えたオケゲムに対し、 デプレが作曲技法のみならず歌詞としても尊敬の念を示したと考えられる。

(新郷)


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