M.A.B. Original Concert
ヨハンネス・オケゲムの世界
〜 初期ルネサンスの知性と感性 〜

初期ルネサンスを代表する作曲家ヨハンネス・オケゲムは、 当時の人々から「音楽の長」「オルフェウスの再来」「われらが良き父」 と呼ばれて尊敬され、また愛されていました。

しかしその作品は一聴しただけでは、現代人の我々には 耳慣れない、風変わりな印象を与えます。 このギャップは当時と現代の音楽のあり方そのものの違いといえるでしょう。

この点について音楽学者のブコフツァーが次のように述べています。 「(オケゲムの音楽は)今日の音楽の用語法からすると、すべて 否定形で表現せざるをえない。中間の終止がない、旋律の切れ目がない、 シンメトリックなフレーズ構成がない…といった工合である。 しかし、そのことは、オケゲムが今日の音楽のあり方とはまさに対極的な ところに、彼の音楽の世界を作りあげていることを意味する(皆川達夫訳)」

このようにオケゲムの音楽は彼独自の特徴的なものであり、 と同時にその技法と表現は当時の音楽語法に深く根ざしたものです。 その音楽は非常に高度な技法を備えていますが、 決して技法過多な音楽ではなく、ルネサンスの時代にふさわしく 人間的な感動が十全に表現されています。

そこでこのコンサートは、当時の音楽語法の解説を交えつつ、 その上にオケゲムが目指したもの、すなわち初期ルネサンスの美学を 探るべく企画されました。

現代作曲家クシェネックが「隠されし宝庫」と評したオケゲムの世界。 音楽評論家の皆川達夫が「現在の音楽の対極として、今後さらに ひろくふかく評価されてゆくにちがいない」と評した彼の作品。 その知的かつ感動的な音楽の魅力の一端をご紹介できればと思います。

招待状 招待状(宛名面)


曲目

Johannes Ockeghem(ヨハンネス・オケゲム)
"Missa cuiusvis toni"より
"Kyrie"
"Missa prolationum"より
"Sanctus"
"Missa pro defunctis(レクイエム)"より
"Introitus"、"Kyrie"、"Tractus(抜粋)"、"Offertorium"

Josquin des Prez(ジョスカン・デ・プレ)
"La deploration sur la mort de Johannes Ockeghem
(オケゲムの死を悼む挽歌)"

会場
近江楽堂(京王新線「初台」駅徒歩5分、東京オペラシティ3F)

日時
2001年7月28日(土) 18:30開場、19:00開演

入場無料

問い合わせ
info@mab.jpn.org


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