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音楽資料室中世ルネサンスバロック古典・ロマン派近現代解説項目

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本資料室における時代区分について

最終更新日: 2002年3月31日
[音楽資料室]->[時代区分について]

西洋音楽史には「150年周期説」というよく知られた時代区分の仕方がある。 これは西洋音楽には150年ごとに様式の大きな変化が訪れるという主張であり、西洋音楽の様式変遷に関する現在のスタンダードな視点の一つとなっている。

この説に対しては否定的な意見や区分そのものを無意味とする意見も多く聞かれるが、西洋音楽史を大掴みに捉える視点としては十分有効であると著者は考え、本資料室の時代区分はほぼこの説に基づいて行なっている。

150年周期説に基づく西洋音楽の時代区分は以下のようになる。

1450〜1600年 ルネサンス 声楽ポリフォニーの時代
1600〜1750年 バロック 通奏低音の時代
1750〜1900年 古典・ロマン派 機能和声の時代
1900年〜 近現代 作曲家固有の音楽語法の時代

一見して分かるように、この説の特徴は古典派とロマン派の区別をしないことにある。かつてこの2つの様式の違いは大変重視され、ベートーフェンやシューベルトがどちらに属するかなどという話題が熱く議論されたこともあったが、音楽学者の ブルーメがこれら2つの様式が本質的に同一であるという視点を示したことを転機に変化が生じた。その後、バロック以前の音楽が広く知られるようになると、 両者の差は例えばルネサンス音楽の前期後期以上の差はないということが 明らかとなり、最近では古典派とロマン派は同一の美学の上に成り立っているという考えは広く受け入れられるものとなっている。著者もこの考えに同意し、 本資料室でもこの時代区分を採用することとした。

なお、150年周期説をルネサンス以前の音楽にも適用するという立場もあるが、 このことについては著者は考えを保留したい。そのため本資料室では、1150〜1450年の音楽をまとめて中世の音楽として扱っている。

(宮内)


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