(コール・クライネス OV会会報 No.46 より)
男声合唱をやっています
MAB 男声合唱団一同
- 「今日は "OVの中にはこんなことしてる連中もいる" って感じで
何か書いておくれ、っていう話を OV会の方から頂いたので、
座談会ということで MAB について話してみましょう」
- 「じゃ、まず MAB の紹介から」
「1986年にできたってことになってて
メンバは当時の
クライネスの 1年生が中心ですね。
今は一般の合唱団として都連にも加盟してるけど」
「ステージ活動は特に決まってないけど、
最近は春と秋のコンクール、東京都の合唱祭などかな」
「去年は縁あって東京芸術劇場の
オープニングイベントで
単独ステージがもてたし、
今年の 5月には初めての
コンサートも
やりましたね」
- 「MAB がどんな団体かっていうと ?」
「できた当初から指揮者なしで、練習は全員の話し合いだったね。
ステージでも全員が横一列に並ぶし」
「音楽的にも運営的にも、一人一人が同じ重さで発言できると
いいんじゃないかっていう考えが根本にあるんじゃない ?」
「組織のようなものもないし、
代表者すらいないといっていいような状態かな」
「時間通りに集まらない、とか、
そういうことに無頓着なところあるよね」
「規律らしいものも全然ないね」
「ま、音が取れてステージの時間に間に合えば
一緒に歌おう、っていうくらいしか決めていなんもんね」
- 「この前のコンサートは
随分頑張ったね」
「せっかく自分たちだけで好きなようにやれるっていう
めったにないチャンスだったからね。自分たちが気に入るような
形を追求しているうちにあんなになっちゃいましたね」
「演奏自体もそうありたいんだけど、見せ方とか、客の呼び方とか、
いろんなことの始末のつけ方にワンランクセンスのいいコンサートって
いうのが合唱の世界にあるというところをやってみたかった」
「人材は豊富だね」
「一人一人が "自分" っていうパートを受けもっているような
感じだからね。音楽的にも、運営的にも」
「一人一人のカラーの総合が MAB のカラーになっているよね。
練習でも各自が自分のやりたい方向に引っ張っていこうとするし」
「何に関してもやりたいって言ったことはやらせてくれるような
土壌があるじゃない。常識的な意見が、少々突っ走っている意見の方に
道を譲るというか」
「あいつがいいっていうことなら、きっと自分にとってもいいものに
なるだろうっていう楽観主義だね」
「みんなの意見の平均をとるより、イメージをもった個人に思う存分
突っ走ってもらう、という方針でやったのがこの前のコンサートだね」
「やりたいやつが自分のやりたいだけ札を出していって
あれだけのものができた、と思っていいよね」
- 「コンサートをやるなんていうところまで一気に
突っ走って来たんだけど、この後はどうなるのかな」
「さぁ〜、まだよくわかんないっていうのが正直なところかな。
コンサートで今までやってきたことのひとつの区切りがついたからね。
メンバもこの先自分がどういうふうにやっていきたいのか
考えているところじゃない ?」
「長く続くっていうのはちょっと不思議だな。
前に進んでいったら同じメンバで長く続くわけないと思うんだけど」
「バンドなんかは何年かで解散するのがよくあるよね」
「そういうのは自然だと思うな」
「解散するという意識が常にあるっていうのは正常だよね。
いつまでもそのままっていうんじゃもうおしまいだと思う」
「一人一人が自分のやりたいことのために集まってくるのがいいな。
目的が各自で違うのは自然だと思うよ。やりたいと思う方向が
決定的に違ってきたら、現状より後退するにしても別れていくと思う」
「そうやってばらけていった個人が、やりたいことのために
またどこからかメンバを集めて再編成するっていうのがいいなぁ」
「バンドでも劇団でも、そういうのって普通にあるよね」
- 「今まで結構やりたい放題やってきましたね」
「MAB は先が見えない団体だから、その時々で一番やりたいことを、
後のこと考えずにやってきたね」
「あとにおいしいことをとっておけるような団じゃないしね。
とっておいたってしょうがないし」
- (1991年 6月 23日 大岡山
北口商店街内 喫茶店「ジョリー」にて)
[ M.A.B Home Stage]
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